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採用サイトのデザインを作る前に考えるべき7つのチェックポイント

近年、様々なマッチングサイトや採用サービスが定着し、求職者と企業の接点は増えています。一方で、企業の一次情報にあたる採用サイトの重要性は増していると考えられます。
求める人材を採用するには、求職者とのミスマッチを避けるコミュニケーションが重要です。では、具体的にどうすれば「求める人材(貴社の採用候補者)が応募する採用サイト」を作ることができるのでしょうか。
実は、成功している採用サイトには設計のポイントがあります。今回は、採用サイトを成功に導く上で、まず考えるべき7つのポイントをお伝えします。

目次

  1. 採用サイトに、貴社の採用候補者(求職者)が期待する情報は何か
  2. 求職者の理解度、エンゲージメントが考慮されているか
  3. 採用応募までの導線(キャンディデートジャーニーマップ)は整理できているか
  4. 効果指標を立てたか
  5. 運用体制を整えたか
  6. 雇用のあり方を踏まえた採用活動か
  7. 技術面で必要な要件をチェックできているか

採用サイトに、貴社の採用候補者(求職者)が期待する情報は何か

一般に、求人情報を探す人がどこから情報を得ているか書き出してみましょう。業種、業界によって多少異なる部分もありますが、おおよそ以下のように考えられます。

  • 大手求人媒体(リクルート・マイナビなど)
  • 仕事検索エンジン(indeed、Googleお仕事検索)
  • 企業口コミサイト(エンライトハウス※旧カイシャの評判、転職会議、キャリコネ)
  • 紙媒体の求人広告(新聞折込など)
  • SNS上の口コミ

これらの情報を見た後、多くの場合は、一次情報にあたるコーポレートサイトへアクセスします。そのときに、顧客向け情報が中心であるコーポレートサイトには含まれない、採用候補者に向けた情報を開示するのが求人サイトです。
新卒採用に特化したものはすっかり一般的になりましたが、最近ではキャリア採用でも、重要度が増しています。また、学生も大手求人媒体ではなく、採用サイトから応募するケースが増えつつあります。
求職者が、企業口コミサイトやSNSなどでの情報収集を行う意図は、職場の雰囲気や会社の文化など目に見えない部分を知るためです。
自社の採用サイトにおいても、採用候補者が働き手として知りたいと思う事に目を向け、積極的な情報開示を心がけましょう。

求職者の理解度、エンゲージメントが考慮されているか

エンゲージメントが得られるコンテンツを含める

エンゲージメントとは、愛着心や思い入れなど、心理的関係性の深さのことを指します。例えば企業のビジョン、将来像、社員が大切にしている仕事の価値感やミッションに触れることで、採用候補者がワクワクしたり共感したりすることはエンゲージメント向上に繋がります。
採用後の働き方や将来像をイメージできる情報のほか、例えば仕事を通じて個人と組織がどのように成長しあっているかなどを伝えることで、「この会社で働きたい」「この会社なら自分を活かせるかもしれない」といった意欲が高まり、応募率を高める事につながります。
採用候補者の心理を理解し、以下のポイントを踏まえてコンテンツを作成しましょう。

求めている人物像の知識レベルに合わせた表現を使う

例えば、専門用語をどの程度使うかなど、読み手のレベルにあわせた表現を選びます。新卒採用とキャリア採用では、使う言葉や重視するポイントが変わってきます。

応募後もコンテンツは見られることを考慮する

応募に至ったあとは、コンテンツで示したことに対してのリアリティ、納得感が得られることが大切です。採用サイトの情報でエンゲージメントの土台を築いておけば、選考段階をクリアしていくごとに採用候補者のエンゲージメントが高まり、内定辞退率の低下につながります。
仮に不採用になっても、「良い会社だった」「良い体験だった」という印象を与えられ、企業のブランド価値向上に寄与します。
一方、「応募したけれど、サイトに書かれていたような環境ではなかった」と期待を裏切る内容にしてしまうと、ネガティブな口コミを書かれてしまうなど、企業にとってマイナスイメージを作ってしまいます。
エンゲージメントは企業と社員の関係性そのものですから、コンテンツが企業の実像に沿ったものであることが大切です。

採用応募までの導線(キャンディデートジャーニーマップ)は整理できているか

採用プロセスを設計する

採用候補者が会社を知り、応募、採用に至るまでのプロセス、たどる道のりを描いたものをキャンディデート(採用候補者)ジャーニーマップ、英語の頭文字(Candidate Journey Map)をとってCJMと呼びます。
リクナビやマイナビといった採用媒体、自社採用サイトなど個別単体で効果を考えるのではなく、採用プロセス全体の中で、個々の情報接点に求められる要件やエンゲージメント構築のための役割を整理ことが、CJMの目的です。
そのため、採用候補者とのあらゆる接点を洗い出し、その接点における心理、思考、行動を考慮して作成します。

キャンディデートジャーニーマップ

最初の接点から入社までのプロセスと心理、行動を可視化しよう

採用候補者への理解を深める

CJMを作成する際に、自分の目線や思考だけで書いてしまうと、「都合の良い」つまり現実と異なる採用候補者像を描いてしまいがちです。
採用候補者の目線で見えているもの、聞こえているもの、言っている事、「恐れ」「願望」などをよく観察し、共感マップに落とし込み、可視化しておきましょう。
特に議論の場においては参加者各々の主観で語られるため、会議参加者の共通認識を得るためにも、共感マップは有用な技法です。
(共感マップについては、後日、記事化してまとめる予定です)

共感マップキャンパス

共感マップの例

CJMから採用サイトの要件を定義する

その後、採用候補者との接点ごとに、どんな体験が期待されるのか、そこでの感情、引き出したい行動を整理し、必要なツールとコンテンツを計画していきます。

全体の計画ができたら、採用サイトの要件やコンセプトを定義し、情報設計に入ります。
情報設計とは、アクセス対策やサイトに訪れた人の目的や行動心理に基づいて、コンテンツやボタンのレイアウトを決めたり、内部の構造を決めたりする作業の事を指します。サイトマップやページのワイヤーフレームなどが主要な成果物です。
最後に、情報設計を踏まえて視覚的なデザインを行います。コスミックエンジンでは、このように”5階層モデル”でのデザインを推奨しています。(5階層モデルについては、後日、記事化してまとめる予定です)
感覚的に進めて行くと、あれもこれもと要求が多くなり、結果的に無駄なコンテンツ制作に労力を費やすことにもなりかねません。自社の採用計画にフィットした質実剛健な採用サイトを構築しましょう。

5階層モデル

Jesse James GarrettのUXの5階層モデル

効果指標を立てたか

CJMに描いた行動と心理変容の仮説をもとに、効果検証のための数値指標を立てます。例えば、採用候補者の心理変容を期待するコンテンツへの流入数(セッション数)や、心理変容を示す行動(応募フォームへのセッション数)など、数値で把握できるマイルストーンを設けます。
アクセス解析以外にも、採用活動においてアンケートを実施し、エンゲージメントを可視化する事も重要です。エンゲージメントを可視化する指標としては、NPS®(ネット・プロモーター・スコア:顧客ロイヤリティの指標)の利用が考えられます。(NPS®を利用したアンケートの設計については、別途記事にまとめる予定です。)

運用体制を整えたか

採用サイトは、作りっぱなしでは成果が得られません。作ったあとの仮説検証、改善のプロセスが重要になります。
効果指標の定量的データ、アンケート結果等の定性的なデータをもとに、エンゲージメントを高める施策をチューニングしていくことで、応募率の向上や内定辞退率の低下など、採用の歩留まりが向上します。また、先述のとおり会社のブランド価値が向上する効果も高まります。
運用体制は、データ解析やコンテンツの修正タイミングなどをあらかじめ計画しておくこと、改善行動を考慮した予算立てが重要になります。

雇用のあり方を踏まえた採用活動か

少し角度がことなる話になりますが、終身雇用制が崩れ、働き方の多様化、テレワークの浸透などを背景に、ジョブ型雇用への転換が経済界でクローズアップされています。ジョブ型雇用とは、以下のことを指します。

各企業が会社における各職務の内容(ジョブ)を職務記述書(ジョブディスクリプション)にて明記し、その内容に基づいて必要な人材を採用・契約する制度です。

これまで日本では、「人に仕事をつける」メンバーシップ型の雇用形態でした。まず人を集めて、集まった人に対して仕事を振り分ける形です。対して、ジョブ型雇用は、予め企業が職務を提示し、人を集めます。そのため、企業側が求める要件と、求職者が求める要件が一致しなければ応募に至りません。
自社の採用方針、社員育成のあり方を踏まえ、採用サイトにおいても、今後の動きを加味した運用戦略が必要になると考えられます。

技術面で必要な要件をチェックできているか

技術面で考慮しなくてはいけない要件は、大きく分けると「SEO(検索サービス対策)」と「更新のしやすさ」です。
採用サイトにおいてSEOはあまり考慮されていない事が多いのですが、IndeedやGoogleしごと検索といった検索型のサービスが台頭しており、対策が必要となります。
これらのサービスは、一般的な求人媒体とは異なり、インターネット上の求人情報を探し出し、検索結果に反映します。つまり、検索結果に情報が正しく登録(インデックス)されるよう、採用サイト側で求人検索サービスの読み取り仕様に合わせたサイトの情報構造が必要になります。
また、タイムリーなコンテンツ追加や修正を加えたいときに、制作会社へ依頼して1ヶ月…といったような運用では、本当に大切な採用候補者を逃してしまうかもしれません。
あらかじめ、コンテンツの追加、改定、動線修正を考慮し設計された、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を導入しましょう。
加えて、企業のビジョン達成に向けた日々の事業活動が伝わるようなコンテンツを定期的に発信することも効果的です。仕事現場のライブ感や熱量を伝えることで、情報の真実味が増加するためです。さまざまな人の活躍を取り上げて記事化していくことで、社内のエンゲージメント向上も見込めます。定期的な更新と良質なコンテンツによりSEOの効果も高まるので、自然とアクセスが集まり、企業の認知向上、ブランディングとしてもプラスに働きます。

まとめ

採用サイトのデザインを考える前に必要なことを7項目に分けてお伝えしましたが、おおまかに言えば、社会環境、求職者、自社環境をよく分析、検討し、自社の採用活動をどのように展開するか設計することが、成果に結びつけるために必要なものになります。
見た目だけではない、成果が得られるウェブサイト作りを目指して、お役立ていただけたらと思います。